本校では平成元年の国際文化コース設置に伴い、従来の英語教授法では4技能の修得は覚束ないという考えから、
- ESLの資格を有する Native Speakers of English に英語教育の大半を任せた。
- 科目名は、分かりやすい、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4技能そのままの名前とした。
- 教育効果を挙げるため、クラスを2分割、あるいは3分割の少人数制とした。
- 評価システムは、日々の授業参加状況や宿題、あるいは課題実施状況が大きく反映できるように改善を図った。
- 授業内容は、原則的に各ユニット毎に6週間を費やし、リーディングの成果をリスニングに、リスニングの成果をライティングに、ライティングの成果をスピーキングに活用するという科目横断的な方法を取り入れ、その集大成として「模擬国連」を行っている。
などに取り組んできた。
このように徹底した英語教育を実施した結果、平成5年頃には
ITP TOEFL のクラス平均が 500点近くにまで伸びた。この時期に記録した最高得点は 627点(約1ヶ月の海外滞在経験しかない生徒)で、その後暫くして別の生徒が 600点台を記録している。
また、本校では英語教育の一環として、様々なプロジェクトに生徒を参加させているが、その中でも最も大きなプロジェクトが「模擬国連」である。今年で14回目を迎えた模擬国連には、近畿圏の高校から約 200名の生徒が参加し、様々な議題について討論を行うが、その実施には高い4技能の能力が要求される。そして、この模擬国連に向けた実質的な学習活動は3年次の春休みから始まるが、本校の英語教育では1年次からこのための訓練を始めている。
この学習活動を通じて、生徒たちは素晴らしい情報収集力、分析力、交渉力などを身に付けるだけでなく、国連の機能や国際政治のダイナミズムを理解する、本校が誇りうるプロジェクトとなっている。
その他のプロジェクトとしては、ミュージカル、英語劇、映画製作など、4技能を駆使した創作活動に取り組んでいる。
このように、英語教育とは単なる座学ではなく、生徒が参加し、創造し、発表するという過程を経ることで、楽しみながら英語力が向上し、英語のスキルが上げられるというメッセージを英語教師に投げかけているように思われる。