お知らせ

リオ五輪競泳女子代表の高橋美帆選手が来校されました!

今回は、2010年度卒業生で、リオデジャネイロオリンピック女子競泳の代表に選ばれた高橋美帆さんです。高橋さんは今年4月4日に行われた、日本選手権女子400メートル個人メドレー決勝で、派遣標準記録を1秒33上回る好タイムで優勝。ロンドンに続き、2大会連続の五輪出場権を獲得しました。
5/27(金)、オリンピック出場権獲得の報告のために、母校を訪問していただきました。

リオデジャネイロオリンピックに向けて、現在どのような調整をされていますか?

今は主に体を作る為のハードなトレーニングを行っています。具体的には、1ヶ月スパンで海外と国内を行ったり来たり。それを、この半年間で3回行いました。場所はスペインのグラナダという、観光地にもなっている所で、高地トレーニングをしています。水中だけでなく、陸上トレーニングも行っており、心肺機能や瞬発力を高めるものや、体幹、ウェートなど様々です。6月にアメリカで再度高地トレーニングを行い、そのままブラジルに入る予定です。7月中旬までは追い込んで、それから調整していきます。

代表選手となって、身の回りで何か変化はありましたか?

代表選考会のレースを見てもらっていた方も多かったみたいで、トレーニングをしている時や試合会場で声をかけてもらえるようになりました。改めて、色んな方々に応援してもらっているという実感が湧いてきますし、励みにもなります。
競技の環境はこれまでと変わらず、代表になる前から所属しているミキハウスが、充実した練習環境やサポート体制を敷いてくださっているので、思う存分競技に専念させてもらっています。なかなか伝えられないですが、本当に感謝しています。
普段の生活では、合宿や取材、式典への参加も多くなり、プライベートの時間はほとんどありません。でも、それだけ水泳に集中できているということなので、今の生活は充実しています。

昨年、記録が伸び悩んだ時期があったと伺いましたが、どのように克服されたのですか?

2015年のシーズンは、特に何かあったわけではなかったのですが、モチベーションが上がらず、体もついてこない。もちろん記録も出ませんでした。でもそれは、明確な目標がなかったからだと気づきました。だから、貪欲さが足りなかった。国体終了後(9月)、普通は休養期間に入るのですが、その時期に西高に帰って自分を見つめ直そうと思いました。「原点回帰」です。
現役の高校生と同じプールで、同じトレーニングをしている中で得たものがたくさんありました。レベルは違いますが、生徒から自分と同じような悩みを相談され、アドバイスもしましたが、それより「一緒に頑張っていこう!」という前向きな気持ちになれました。恩師である戸谷先生(本校水泳部監督)からも「美帆の持ち味はタフなところ。後半に持ち味が出る。練習を積めば他を圧倒する力はあるんだから。」という言葉をもらい、本気でリオを目指そうと決心しました。

高橋選手は2014年に、3週間教育実習生として本校で実習され、その後教員免許を取得。現在も競技生活の傍ら、大学院生として日々研究を重ねておられます。「文武両道の実践」について心がけていることを教えてください。

これは西高生時代からいま現在も続けている事ですが、限られた時間を有効に使うことです。やるべき時に必ずやっておくということが本当に大事。後で大きな苦労するなら、今からやっておく。後回しにすると大変なので。そして何より集中力です。この集中力の大切さは勉強もスポーツも同じです。少しの我慢をずっと続ける。淡々と。

西高生時代の経験は、今の高橋選手にとってどのようなものとなっていますか?

西高水泳部は毎年5月から泳ぎ出すのですが、その頃はまだ水温が20℃を下回っているんです。その練習に耐えたという事で、どんな環境でも自分のベストの練習ができるという自信になっています。実は今日もプールに行って練習に参加させてもらったんです。水温はちょうど20℃でした(笑)。
あと、チームみんなで頑張れたという事。そのつながりはずっと続いていきますし、卒業してだいぶ経ちますが、気持ちとしては今現在もみんな西高生です。その絆は強いですね。

現役の西高生に一言お願いします。

高校3年間という時間は限られているので、やりたいと思うことは全部やる!という気持ちで。あと、何事にも貪欲に。

最後に、前回出場されたオリンピックでは惜しくも予選敗退でした。今回のオリンピックにかける意気込みを聞かせてください。

謙虚に。決勝に残って、1つでも上の順位を狙います!

高橋 美帆 プロフィール

1992年12月1日生まれ 長岡京市出身。
京都外大西高校(特進エクシードコース)卒業後、日本体育大学に進学。現在はミキハウス所属。

当日のインタビューは、本校水泳部の戸谷監督も同席されました。終始和やかなムードの中、時より思い出話も交えながらお話を伺うことが出来ました。本校水泳部は、記録をのばす事だけではなく、「人間を磨く」ということを日頃から指導の基本とされています。高橋選手を「西高生らしい選手」と表現するのは、競技者として人間として、立派に成長してくれたという恩師からのメッセージなのかもしれません。
教職員一同、高橋選手のご活躍を心から祈っています。